
2025.03.03
月刊シティ・タワー診療所 3月号
ザイテングラートは涸沢から奥穂高岳に向かう急な上り坂。 毎年ここで滑落事故が起きている難所です。写真ではわかりにくいですが、 階段状の急坂であり、道幅もかなり狭い中を約3時間登っていきます。 ザイデンを登るときは幸せなヒトトキです。 ~「がん・よろず相談外来」開設中~ 痛剤みやむくみなどがんにともなう症状が辛い方、 抗がん治療の継続のことや今後の療養場所で悩まれている方などを対象に がん・よろず相談外来を開設しております。 予約制ですので、事前にお電話をお願いします。(058-269-3270) 今月の島ちゃん先生 〜総合診療ってわかりにくいな〜 膝関節症クリニック、睡眠クリニック、頭痛クリニックなど最近専門的なクリニックが目立つようになりました。 受診する方としてはピンポイントで診てもらえるのでわかりやすくていいですね。 一方で、総合診療ってなんだかわからないな〜と私自身思います (ちなみに当院は内科、小児科、在宅医療となっておりますが、総合診療が専門です)。 総合診療に似た言葉で総合内科、もあるからさらにややっこしい! 総合診療とは、子どもからお年寄りまで、どんな症状を抱える人に対応します。 一番の特徴が、一つの疾患からその人を診るのではなく、 色々な病気や生活背景を持った人をトータルに考え対応する、というのが専門です。 例えば、先月から紹介しているコレステロールの対応でも、 コレステロールの値だけみれば治療適応でも、認知症や食事摂取能力、 などを考えコレステロールの治療がこの人には必要なのか?を考えるのが専門です。 例えば上記の人なら食事摂取が不良で体力が低下しているのなら コレステロール値が高くても「しっかり食べましょう!」と言うと思います。 こんな感じでその人にとって何を優先して治療するのか?治療しないか?を考えるのが総合診療です。 うーん、でもやっぱりわかりにくいかな〜。 みんなの健康相談〜今月の質問〜 「センセイ、急に血圧が高くなると危ないの?」 この質問はよく聞く質問ですね。 例えば血圧を測定したら、普段140くらいの人が180くらいになると 驚いて診療所に駆け込む、というケースですね。 これは鶏と卵の話と一緒で、血圧が高いから何かの病気になったのか、 それとも何かの病気になったから血圧が高いのか? 私達医療者としては、後者の場合には緊急性がある、と判断します。 この場合には、強い頭痛や胸部痛、目が見えない、手が片方だけ動かない、 など、どう見ても「緊急な症状」があるときです。 このようなときには早めに医療機関を受診し治療を受けることが必要です。 一方で普段みなさんが知っている高血圧症は前者です。 前者の場合、特に強い自覚症状もなく、なんとなく測定したら高かった。 高かったので不安だからもう一度測定したら更に高かった!というケースです。 このような場合には一晩寝て休んで、翌日医療機関に受診する くらいのゆとりを持って対応するとよいです。