2024年9月

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月刊シティ・タワー診療所 9月号 | 院長ブログ

月刊シティ・タワー診療所 9月号

とても有名な写真なので、掲載するのも恥ずかしい限りです。 観光名所にもなっている八方池です。天気がいいとこんな景色が見られます。 ただし朝9時くらいまでです。それ以上遅いとガスで見えなくなるのが山の常識です。 今月の島ちゃん先生 〜特徴的な先生が多かったな〜 私の小学生時代の思い出です。 以前お話した通り私の小学校は全校生徒54名というとても小さい学校でした。 そのためか?先生たちもとても「変わった」特徴をもつ先生が多かったような気がします。 今月はその一人を紹介します。 H先生は野菜作りと花作りが得意でした。 そのため、春は畑の開墾と花の世話、夏は畑の野菜収穫、 秋は菊の花作りと冬野菜の植え付け、冬は冬野菜の収穫、と1年中畑作業をしていました。 今だったら絶対に問題になるような教育だったと思いますが、 当時はこれが許されていました。 私達は言われるがままに畑作業を頑張りました。 教室で授業を受けた記憶はほとんどなく、連日畑に行っていた思い出しかありません。 特に思い出深かったのは、菊です。大菊は6年生がつくり、小菊は4,5年生が作りました。 大菊は見た目も華やかだったので、6年生になったら大菊(特に厚物が私は好きでした)を作りたい、 色は白色がいいな、と思って数年間取り組みました。 あと2人、変わった先生がいました。次回へつづく・・・ みんなの健康相談〜今月の質問〜 「センセイ、ACPはどうやって活かされるの?」 ACP(人生会議)の話題の続きです。 では実際に急変したときにどのようにその人の意思を尊重し、医療が実施されるのか、 をストーリー仕立てで解説します。 Aさんは普段から「胃ろうなんかしたくない」「人生満足、ころっと逝けたらいい」 ということを家族にも近所の人にも、関わる医療介護スタッフにも伝えていました。 しかも何度もそれを伝えていました。 だんだんAさんは認知症が進行し、自分の言葉を発することができなくなりました。 食べることができなくなり、何度も誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しました。 そしていよいよ栄養をとるために「胃ろう(=お腹に穴を開け直接栄養剤を入れる装置)」を作るかどうか、 という判断を病院意思から迫られました。 その時に家族さんからは「昔っから母は延命治療は希望してこなかった。 食べられなくなったらそれが人生、って言っていた」 という発言があり、ケアスタッフからも「点滴や入院した時のAさんの表情は辛そうだった。 これ以上入院はAさんにとっては苦痛だと思う」 という発言がありました。 命の長さを長らえる胃ろうという治療があっても、Aさんの生き方、Aさんらしさを皆で話し合い、 Aさんの尊厳を守るのは、胃ろうをしないで生きること、という結論に到達しました。 このように、ACPは1回の話し合いで決まるのではなく、何度も繰り返して話し合われること、 多くの人と話し合うこと、意思疎通できない状態でもその人らしさをみんなで 推定することが大事になります。 ご参考になりましたでしょうか?